北欧紅茶は、世界屈指のブレンダー、故バーノン・モーリス氏の紅茶哲学から生まれた、ハンドメイドのオリジナルブレンドティーです。
スウェーデン王室でも長く愛飲されています。その豊かな香りと味わいは、自家栽培のフレッシュなリーフと天然のフルーツが奏でる絶妙なバランスによって生み出されるものです。
現在は、バーノン・モーリス氏から指導を受けた弟子数人で、ブレンドからパッキングまでの全ての工程を手作業で行っています。
ここでは、北欧紅茶がどのようにして生まれたのかをご紹介しましょう。
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バーノン・モーリス氏は、スリランカの最高級紅茶を扱う輸出商の子息として生まれました。
10代の頃から本格的に紅茶について学び、20代になるとさらにブレンドの技術を学ぶため、イギリスへ渡りました。
イギリスでの研究は、紅茶のみにとどまらず、中国茶や日本茶も含めた茶全般に渡って行われました。研究を通じて、彼の探究心は葉や花などの自然素材に向かうようになります。
自然豊かな南方の国で育った彼だからこそ、茶葉に葉や花の香りを加えるという発想が生まれたのかもしれません。モーリス氏は、『葉』『花』『香り』の融合という独自のブレンドスタイルを確立しました。
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イギリスでも、モーリス氏のブレンドスタイルは注目を集めました。日々、研究開発を続けるなか、当時のスウェーデン国王子(現国王カール・グスタヴ)のイギリス訪問がモーリス氏の人生を大きく変えます。
王子は、当時のスウェーデンにはない『紅茶』に感激しました。当時のスウェーデンは「コーヒー消費国世界一」といわれ、紅茶文化は存在しなかったのです。そこで王子はモーリス氏をスウェーデンへと招きました。
このスウェーデンへの移住によって、セーデルブレンドをはじめとする、オートクチュールの紅茶が生み出されていったのです。
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モーリス氏の紅茶はスウェーデン王室より『King Of The TEA』の称号を授与され、ヨーロッパ各国の王室でも愛飲されるようになりました。さらに、彼の代表作品セーデルブレンドは『世界初のフレーバーティー』としてギネスブックに登録されました。
彼のオリジナルブレンドは、誕生から40年以上経った現在でも世界各国のシェフやパティシエから、一般の人びとにまで広く愛されています。
彼の生まれもった資質と素材への探究心、そして紅茶への強い情熱は、数々の素晴らしいブレンドを生み出しました。
バーノン・モーリス氏は 2017年にこの世を去りましたが、彼の技術や情熱は彼の家族や弟子たちに引き継がれ、現在もその伝統を世界に伝えています。